健康経営優良法人認定(ブライト500)取得までの道のり 

仕事
2022年度中小規模法人部門(ブライト500)

全くゼロからのスタートで何から始めるか?

避難と誤解のスタート

Dismembered

バラバラなジグソーパズル

もしも健康経営を検索されてこの記事を読まれているのだとすれば、おそらく中小企業の経営者の方であったり、経営者から健康経営について”調べてくれ”と言われた方が多いのではないかと思います。

そもそも健康経営とはなんぞや?
健康経営の取り組みで何のメリットがあるの?

という内容の質問を多く寄せられます。初めも僕は全く同じでした。

営利目的で何か怪しげな事始めた
また余計な手間ばっかり増える


当時は「どうせ経営者の営利目的だろう」と思いました。この健康経営の話を初めて聞いたのは4年前。実際この取り組みに最初は猛反対したメンバーの一員でした。たいした理由はありませんでしたが、当時、社長がこの取り組みを弊社でも取り入れたいからと、従業員の前で説明した理由として・・・

・会社の安定は従業員の健康あってこそ
・うちの従業員は運動不足が多い
・健康診断の結果で再検査や要治療が半数以上
・入社時よりも全員肥満傾向にある
 主にはこれらをあげて取り組みたいとプレゼンしてきました。それを聞いて
余計なお世話だ!!
病気しないで馬車馬のように働けって事か?!
私生活まで関与されたくない!」
という感覚です。まぁ経営者の中には確かに従業員が病欠で休めば確かにコストパフォーマンスは悪くなると考える人もいるでしょう。特に弊社は、中小規模の建設業で一日の出た人数が売り上げに直結するので、一人休むごとに売上が下がってしまいます。
なので余計にそのような考えに囚われていました。しかしながら今考えてみれば、自分が不健康で良いことなんて一つもない。結局自分が言われて耳が痛いことから逃げていただけなのだなぁ、という事に気づきました。
そして当時の社長は従業員達の理解が得られなかったという事で、その取り組みは見送られることとなったのでした。
それが今から4年前のことでした

それから2年後の出来事

どこの経営者というのも恐らく共通しているのは、じっとしていられなくて、新しい物好き。弊社の代表もそういう人です。
増して弊社代表はチャレンジ精神が旺盛。とりあえず新しいものは

やってみなければわからない

そのスタンスは相変わらず変わっていませんでした。しかしそのお陰で、やはり情報の先取りには長けているので、世間が何となく

『健康経営っていいらしいよ』

とチラホラと耳のするようになりました。たまにテレビのCMでも見かける事も。
そしてそんな最中、社長が20代の子達の健康診断の結果を僕の目の前に持ってきて、ちょっとこれ見てよ、と言いながら差し出してきました。
その結果を見て驚愕させられました。
僕たち40代の結果よりも確実に悪くなっていて、みんな肥満傾向。そして、成人病予備軍、いわゆる糖尿、肝臓、高脂血症、高血圧など。
もしも自分だったら恐怖すら覚えてしまう結果でした。
そしてそれらは明らかに、入社してから徐々に悪くなっているのが結果として現れていました。

『これ、ヤバくね?』

社長の一言。全く同感でした。僕は今まで人の健康診断なんかに興味もありませんでしたし、プライバシーの問題もあるので率先してみる事もなかったのですが、この事実は僕なりに重く受け止めました。
弊社は2回、春と秋に作業服を配布するのですが、その時に制服のサイズを事前に提出してもらう事になっています。そのサイズ、特にウエストに関してどんどんと増加していく傾向にあります。
しかも若い子は顕著です。入社してから

ウエストが細くなりました!という子はゼロ。

このことから社長の本心を知りました。

従業員の身体(健康)を本気で心配していたんだなぁ

と悟りました。
それからは、従業員が元気で働くことのできる環境を整える大切さを理解することができました。

ここで大切な事を挙げておきます。

本当に従業員を大切に思う気持ち
営利目的で始めると長続きしない

という事です。この取り組みは、本当のメリットを感じるまでに時間がかかるというデメリットもあります。
経営者の方も直接利益に結び付く結果が見えにくい為、躊躇されている方も多いと思います。
そして従業員の方に、会社をイメージアップさせる為のパフォーマンスだろうと思われてしまっては、効果もありませんし長続きもしません。
この取り組みを正しくお互いに理解し合う事が初めの一歩であることは間違いありません。handshake_suit

最初の1年目は認定してもらえませんでした

この取り組みについて実際に何をどうすれば会社として申請することができるのか?僕も最初は何をどこから手をつけたら良いのか全くわからず、まずはネットで健康経営 申請方法と検索してもらえれば、経済産業省のホームページに詳しく書いてはあるのですが、

良くわからない!

そんな時頼りになるのが、各保健協会や組合に問い合わせていただくと、丁寧に教えてもらえます。僕にとっては本当に頼りになりました。
聞いた話ですが、各県によって若干の違いはあるようなので詳しい手順はここでは書くことを控えたいと思います。
ここまではエントリーするための準備に過ぎません。ここからが本当の意味での健康経営の取り組みになります。例えば

・健康診断100%受診
・従業員のワークエンゲージメントの向上
・労働環境の向上
・メンタルヘルスやパワハラ防止

上記はほんの一例に過ぎないので、各企業のカラーに合った取り組みを実行していけば良いと思います。
その取り組みは確実に記録していくことを忘れないようにしてください。後々本当にその活動を実行していたのかどうか、証拠として、提出を求められる事もあります。僕の場合はむしろ、申請時に証拠として、活動記録を求められる事が無くても一緒に提出しました。

では何故昨年度は取得できなかったのか?それは記入漏れが原因でした。
経済産業省に最後エントリーシートで申請するのですが、マークシートへのチェックが一箇所抜けていました。当たり前といえば当たり前なのですが、申請書などは何度も見直す事。活動記録があるから、情状酌量で認めてもらえるなんて、ちょっと甘えた考えもありました。
しかしそんな事は当然あるわけありません。

国が取り組んでいる活動ですから、当たり前ですよね(^_^;)

新たな気持ちで再びチャレンジ!

僕の中では会社としての取り組みは間違っていない!という自負があったので、昨年度の取り組みの基本は変えたところはありませんでした。大切なことは以下の通り、

本当に実践していること
従業員全体に浸透している事

世間では、やっているフリであったり、取り組んでいたとしても一部の人しか取り組んでいなければ意味がありません。
ですから弊社独自でみんなが取り組みたくなる活動をいくつか探りながら増やして行きました。

それでは実際、どんな活動をしてきたのかを述べて行きたいと思います。
各社それぞれ条件が違いますから、向き不向きがあると思います。
あくまで参考程度にしてみてください。ちなみに、弊社の主なデータは以下の通りです。

建設業 :8:00〜17:00
職種  :地盤改良工事
従業員数:36名
そのうち女性従業員数は2名
年齢層 :1/3が20代
1/3が40〜50代
1/3が60代

毎月のヘルスリテラシー向上セミナー

毎月月初に安全協議会の冒頭に30分健康に関するセミナーを盛り込みました。講師は外部の保健師さんにお願いしたり、自分で本などを読んで勉強したり、最近ではYouTubeなどでも専門的な内容の動画もたくさんありますので、そういったものを活用してリテラシーを高めて行きました。

年2回の焼肉パーティー

コミュニケーションに特化したものです。やはり食べる事はみんな大好きなので、これに関してはいつも大盛況です。大した労力や説明は要りません。むしろ最初はこの焼き肉のメニューの中身を工夫して、野菜を多めにするとか、飲み物はノンアルコールのような、健康を意識したものに切り替えるのも良いかと思います。何しろ、健康経営の活動の一環ですから(^ ^)

冬限定。スキー倶楽部

こちらも後に大盛況となっていった活動となりました。
最初はさほど期待せず、試験的に取り組みをスタートしました。案の定、経験者が数名だったのですが、とっても楽しかったと話を広め、回数を重ねていくうちに、やった事がない人も興味を持ち出して、参加する人が徐々に増えて行きました。この事から、活動は続ける事がやはり大切だということが分かりました。

まだまだこれから

弊社の活動もまだまだ始まったばかりで、実際手探りですがなんとか優良法人認定を取得することができました。

今、従業員同士の和はもちろんの事、経営陣と従業員との和がより深くなったのを肌身で感じています。それが最大のメリットではないかと感じています。

会社の運営やリスクなどを私事として、自発的に考え行動するようになったのは、経営者としてこれほど心強いことはないのではないでしょうか。

この良い流れを継続させるためにも、さらにより良い活動を模索していきたいと思います。

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